母ちゃんが教える『何とかなるよ』 nantokanaruyo.com

幸せな生き方、教えたるよ。あなたが辛い時、寂しい時、迷った時、一人で乗り越えていけるように。頑張れるように。相手を思いやれる優しい人になってくれるように。間違わんと生きていってくれるように。あなたの心に、きっと届くように。

母ちゃんが教える14『物で、人の価値は計れない』

 

 

母ちゃんです。

 

 

今は、物がいっぱいあふれとるね。

男の人も女の人も、子供も、大変やわ。

 

いるものといらんものが、分からんくなって

しまうやろでね。

 

女の人は、お化粧して、きれいな服着て、き

れいな頭して、ええアクセサリーして。

 

女の人はな、持ち物で自分を武装するんや。

愛されたいと、認めてもらいたいと、それ

と、自分の居場所を作るために。

そんなかわいい気持ちを持って。

 

男の人は、最新の家電製品手に入れて、車も

バイクも、お気に入りの乗り物かっこいい装

飾して、携帯も、音楽聞くやつも新しいのに

して。

 

男の人はな、強く見られなあかん。

どっかの部分では、ほかの男よりも勝っとら

なあかん。

凝り性やからまた大変や。

コミュニケーションツールでもあるわ。

そんな男のステイタスのために。

 

 

 

母ちゃん知っとるで。

テンションが上がるんやんな。

ウキウキするんやんな。

強なったような気がするし、認めてもらえる

ような、愛されるような、そんな気がするん

やんな。

 

 

そやけど、それ無くなったら、あなたはあな

たでおれるんやろか。

 

ほんでそれは、本当にいるもんなんやろか。

 

 

 

 

母ちゃんには、昔からずっと壊れやんと大事

に使っとるもんがある。

 

 

それはな、説明して分かってもらえるか分か

らんけど、多分名前は、ウォークマンとかい

うやつや。カセットテープの。

 

構造は本当にシンプルで、本体は、カセット

テープをもう少し大きくしたような大きさ

で、母ちゃんは聞いたことないけど、どうや

らラジオも聴けるらしい。

 

何で分かったかというと、本体のふたの所に

英語で、ラジオ、FM、AM、って書いてあっ

たから。

ボタンは、録音ボタンと再生ボタン、早送り

のボタンと巻き戻しのボタン。

 

本体の色は、母ちゃんの好きな青色と水色。

 

 

とにかくどんな機械音痴でも、買ってすぐに

使うことができるほどシンプルな、それが、

母ちゃんがずっと大事に使ってきたものや

わ。

 

母ちゃんが、そのカセットテープのウォーク

マンを買ったのは、だいぶ大人になってから

やった。

 

その当時は、母ちゃんは機械にうとかったか

らあんまりよく知らんけど、MDウォークマン

とか、あとはよく分からんけど、長四角のな

んか音楽聴けるもんが流行っとったわ。

 

 

母ちゃんが学生の頃は、みんな制服のポケッ

トにその何かしらの音楽を聴くやつを忍ばせ

ていて、そのポケットからイヤホンのコード

を出して耳にはめとった。

 

学校も電車もお店も遊ぶときも、いつもみん

なそうしとった。

 

 

母ちゃんはお金がなかったし、特に必要とも

思わんかったから、大人になるまでその音楽

を聴くやつは、一度も買ったことがなかっ

た。

 

お金がなかったから、他の友達に言うと驚か

れるぐらい遠くから、毎日自転車で学校に通

っとった。

 

そのおかげで母ちゃんは、マラソン大会はい

つもぶっちぎりの1位やった。

筋肉と体力には自信があった。

 

 

母ちゃんのまわりにはいっぱい友達がおった

から、母ちゃん別に聴きたなくても勝手に耳

にイヤホン入れられて、それでいつも音楽聴

かせてくれる友達も多かった。

笑いあって顔くっつけて一緒に音楽聴くのが

楽しかったから、それもあってか、別に欲し

いと思ったことはない。

ちょっと格好いいなとは、思っとったけど。

 

それでも、一つだけ肌に合わんと思っとった

ことは、友達の合わす音量は、いつも母ちゃ

んには大きかった。

 

聞いてみると、大きい音で聴くのが、かっこ

よかったらしい。

 

 

母ちゃんはスポーツもできて、かなりのべっ

ぴんさんやったから、男の子によくモテた。

 

とにかくその頃は、恋愛と、スポーツと、学

校帰りに友達とオシャレな店を見に行くこと

に夢中やった。

 

だからその音楽を聴く機械は、母ちゃんには

不要やったわけや。

 

 

なぜ、大人になってからそのカセットウォー

クマンを買ったかというと、正直なところ覚

えてない。

新しい色々な音楽を聴くやつがある中で、な

ぜそのカセットテープのウォークマンを買っ

たのかというと、多分それは一番安かったん

やと思う。

家にあったオーディオの機械は、CDから、

MDやカセットテープのどちらにでも音楽を

入れられたから、本当にそれは、どっちでも

よかったんやと思う。

 

 

しかしそれは、なかなか便利やった。

 

何が便利かというと、新しい音楽聴くやつ

は、声が録音できやんって聞いたのに、小学

生の時に買ってもらった、ピンクの小さなラ

ジカセと同じ、声を録音する機能がついとっ

たから。

もしかして、他の機械にもそんな機能があっ

たんかもしれやんけど、それは教えてもらっ

ても、その時の母ちゃんには理解できてなか

ったんかもしれやん。

 

 

カセットテープのウォークマンを買った時

は、最初はみんな、今さら何でカセットテー

プ?ってゆっとったけど、カラオケの時に歌

声を録って、それを聴いたりしては喜んどっ

たし、あとは忘れたけど、とにかく便利やっ

た。

 

何より、子供が生まれてからは、子供の声を

残せるでええなと、我ながらいいアイデア

思いついた。

 

 

母ちゃんがカセットテープのウォークマン

買ってからしばらくして、面白いことが起こ

った。

 

まわりの友達がいつの間にか、次から次へ

と、母ちゃんと同じカセットテープのウォー

クマンを買い始めた。

もうその頃はMDウォークマンも古かったら

しいから、最新の長四角の音楽を聴く機械を

持っとるのに、わざわざアナログの、カセッ

トテープのウォークマンを買ったんや。

 

何でみんなが、かっこよくもない、自慢も出

来やんそのカセットテープのウォークマン

買ったのか、それは、後に分かった。

 

 

「母ちゃんが持っとるから欲しくなってきて。」

 

「母ちゃんが持っとるからええもんに見えて。」

 

 

みんながみんなそう言っとった。

 

 

母ちゃんは、新しいものなんか興味がなかっ

たから、音楽が聴けたらそれでよかったし、

目的は音楽を聴くことやから、人に誇れるも

んである必要はなかったんかもしれん。

 

 

 

それからもカセットテープのウォークマン

は、働き続けた。

 

電池は何回替えたか分からんけど、壊れたか

なと思っても、また電池を替えたら、それは

必ず動いた。

 

 

 

何を持っとるかじゃない。

 

物で人の価値は計れやん。

 

 

 

持っとる人が、気に入って大切にしとるもん

は、他の人からも、とても素敵に見える。

 

どんな安物でも。

 

 

物なんかなくたって、着飾ったりせんくたっ

て、あなたはそのままで素晴らしい。

 

 

 

ボロボロの物しか持ってなくても。

 

 

 

 

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