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母ちゃんが教える『何とかなるよ』 nantokanaruyo.com

幸せな生き方、教えたるよ。あなたが辛い時、寂しい時、迷った時、一人で乗り越えていけるように。頑張れるように。相手を思いやれる優しい人になってくれるように。間違わんと生きていってくれるように。あなたの心に、きっと届くように。

母ちゃんが教える24『人類最弱の男』

 

 

母ちゃんです。

 

 

母ちゃんの友達に、人類史上最弱の男がお

る。

 

 

その人は、友達の旦那さんで、今は家族ぐる

みで仲良くしとる。

母ちゃんとは、同い年や。

母ちゃん母ちゃんと、よく慕ってくれる。

 

そして母ちゃんはこの男を、とても信頼して

いる。

 

 

最弱(もう、こう呼ぶことにする)の面白いと

ころは、実は母ちゃんに見破られるまでずっ

と、強い男を演じていたということや。

ずっと長い間。

 

 

奥さんにもバレてなかった。

最弱は、大嘘つき男やった。

 

 

最弱の大嘘つきヒストリーは大したもんで、

 

①身長の詐称

事実  →4cmほど誤魔化していた。

 

②自分はみんなに尊敬されている。

事実  →と、思いたい。

 

③自分は友達に一目置かれている。

事実  →と、思いたい。

 

④自分は何かあっても、先のことを読み通し

て、いくらでも臨機応変に対応できる。

事実  →そんなことあったら、蛇に睨まれた

蛙。怖くて、誰か助けてと願う。

 

⑤自分は寡黙で、出来た男。

事実  →突っ込まれるとすぐ泣くので、黙って

るだけ。

 

⑥自分はモテていた。

事実  →女の人はほとんど知らん。

 

⑦自分は重要な仕事を頼まれがち。

事実  →のちに、あの仕事怖いから行きたくな

いと、母ちゃんに泣きついた。

 

 

これはほんの一部やけど、並べただけでも、

とにかく面白い。

 

 

 

とにかく最弱は、母ちゃんに見破られるま

でずっと、その嘘で自分を守っとったんや

な。

 

 

 

母ちゃんがなぜ見破ったか。

当たり前や。

本物は、偽物やと分かる。

 

 

さらに面白いことがある。

最弱の奥さんもまた、ものすごく弱い人やっ

たんや。

つまりは、弱いのと弱いのが結婚したんや

な。

 

今、奥さんは日々、ライオンの皮を被ってた

子猫のようなその男に、「騙された」と言っ

ている。

 

 

出会った頃の最弱は、とても無理していて、

無理して生きるその姿は、とても辛そうに見

えた。

ありのままでおれやんなんてしんどいわ。

そんな無理せんでもええのにとそう思った。

 

 

自信なさそうで弱そうで、どうやら奥さんは

それを見破ってなさそうやったから、どうし

たもんかなと母ちゃんは考えた。

そうはいっても最弱は男やし、そんなに関わ

ることもなく月日が流れた。

 

 

 

最弱はとても弱かったので、自分の嘘がいつ

かバレるんじゃないかと、とても怯えて過ご

していた。

初めは小さな嘘やった。それでもその先奥さ

んになる人は、気持ちいいぐらいに自分の嘘

に騙されてくれた。

嘘が嘘を呼び、もう戻れやんところまでいっ

てしまった。

会社の人に対しても、初めて会う人にも、何

を考えてるか分からん人は怖かったらしい。

 

いつも人と目を合わさんようにし、家族には

嘘をつき続けた。

そこでだけは、格好いい強い自分でおりたか

ったんやな。

 

 

 

最弱に会った時、この人はお母さんに上手に

甘えてこやへんかったなと、分かった。

甘えるのが下手で、不器用で、一生懸命何か

をするんやけど認めてもらえやんくて、自分

に自信なくて。

愛されたい、認められたいと、最弱の顔は、

そう伝えてきとった。

 

 

最弱は弱さうえに、とても卑怯であかんとこ

があった。

自分さえよければいい。

人が悲しんどっても、自分じゃないからい

い。

人の上に立ちたい認められたい。だから、人

を悪く言う。何もしてない人を悪者にした。

自分はなんの努力もせえへんくせに。

 

子供には、人の気持ちなどどうでもいいと、

何か物を与えては自慢させ、人より上に立た

せたがった。

 

 

母ちゃんは、最弱の弱さを悪いものとは思っ

てない。

最弱は口だけで、直接人を攻撃したりはせ

ん。悪いことする度胸もない。

 

 

それでも、子供にはあかん。

それは、あかん。

 

 

そして母ちゃんは、最弱と向き合うことにな

った。

 

最初は必死に誤魔化そうとしとった最弱も、

ついに諦めた。

母ちゃんには、誤魔化しも嘘も通用せん。

嘘をやめた。

 

 

大嘘つくんは、心の弱さがそうさせとる。

最弱は、寂しかったんやな。

心はとっくに泣いとるのに、無理して無理し

て、誰かに嘘を見抜いてほしかったんやろ

な。もう頑張らんでいいって言ってほしかっ

たんやな。

愛してほしい。可愛がってほしい。認めてほ

しい。

そうやって思い続けたんやな。

 

母ちゃんは、最弱に伝えた。

 

 

「そのままの弱いまんまでええんよ。」

 

最弱は泣いた。

 

 

 

最弱は変わった。

 

目を見て話せやんだ最弱は、母ちゃんが行く

と嬉しそうに寄ってきて、まるで子供が母ち

ゃんに甘えるように色んな話をする。

目を見てちゃんと話せるようになった。

子供がまるで、「母ちゃん、聞いて聞い

て!」ってゆっとるように聞こえる。

 

よく笑うようになった。

泣き言も、ちゃんと言えるようになった。

 

 

怖いを、隠さんくなった。

怖いことがあると、どうしたらいいか、母ち

ゃんに聞きにくる。

こうしたらええんよと教えると、次の日「言

われた通りやったら、うまくいったよ!」

と、また嬉しそうに報告にくる。

他の部署にお手伝いに行かなあかんときは、

休憩中に、何話していいか分からんで恐くて

不安やと言うので、

 

「誰もあんたなんか見てないで大丈夫。

誰もなんとも思ってない。そんな不安な顔し

た人おったら見てしまうけどな。明るく笑っ

て挨拶して、その後はそのままいつも通りお

ったらいい。そんなに不安なら、トランプで

も持ってきな。場がもたんだら、それ出した

らええやろ。」

 

と伝えた。何日後かに、本当にトランプを持

っていってたと聞いた。

恥ずかしくて出せへんだらしい。

 

 

あっぶな。

あれ、冗談や。

出さんで良かったで。

 

 

嘘つきはクセになっとるから、嘘が出そうに

なるときは、事前に出やんように、母ちゃん

が上手になくしとる。

何かの話の時にも、「それ、嘘とちゃうやろ

な。」と言ったら、嬉しそうに「これは本

当」と言って、笑った。

 

 

母ちゃんは、最弱の母ちゃんにもなったよう

や。

安心していい。

そこの家は、先に奥さんが母ちゃんの子供に

なっている。

奥さんは、「自我が芽生え始めたの」といっ

て喜んでいるが、うっとおしくて迷惑しと

る。

でも、嬉しい。

 

二人は、母ちゃんの取り合いをしている。

 

 

 

今まで甘えられやんだ分、いっぱい甘えたら

ええんよ。

子供の頃のやり直しやな。

怖いこと怖いって言えやんと辛いやろ。

これからは言っていいんよ。

不安なことあっても母ちゃんがおるでな。

心配せんでいい。

 

 

 

最弱は、母ちゃんのためなら一生懸命尽くし

てくれる。本当に優しい。

それについては、自分のほうが母ちゃんを好

きやと、そこの奥さんは譲らへん。

 

そして、母ちゃんに喜ぶことあると、二人し

て自分のことのように喜ぶ。

 

 

ありがとう。

 

 

 

最弱は今、前より人の目が気にならんらし

い。母ちゃんの顔見ると、安心するんて。

色んなことがすごく楽しいと言う。

 

 

 

最近は、最弱の加齢臭のせいで、洗濯物が臭

いと奥さんがよく騒いどる。

 

うまいこといかんだな。

動物は、匂いの強さが強さの象徴らしいな。

 

 

最弱は花が好きやったらしく、花の季節にな

ると、花を植える。

パンジーとチューリップが、好きらしい。

奥さんと母ちゃんには、乙女と呼ばれてい

る。

 

一度、せっかく植えたチューリップを、奥さ

んに引っこ抜かれていた。

 

母ちゃんが奥さんに、「わがままは隠さんで

ええ。調節したらええんや。」といっとった

せいやろか。

調節間違ったか。

母ちゃんが悪いんかもな。

 

 

 

 

大丈夫や。

 

 

 

 

人類では最弱でも、獣界では最強や。

 

 

 

 

 

母ちゃんは最弱を、とても信頼している。

 

 

 

 

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