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母ちゃんが教える『何とかなるよ』 nantokanaruyo.com

幸せな生き方、教えたるよ。あなたが辛い時、寂しい時、迷った時、一人で乗り越えていけるように。頑張れるように。相手を思いやれる優しい人になってくれるように。間違わんと生きていってくれるように。あなたの心に、きっと届くように。

母ちゃんが教える50 『子供の頃の憧れは、大人になっても変わらぬまま。』

 

 

母ちゃんです。

 

 

母ちゃんは昔から、楽器を演奏する人に憧れ

る。ピアノ、バイオリン、ドラム、ギター、

ベース、サックス、トランペット、楽器は他

にもいっぱいあるけど、その中でも特に、

ピアノが弾ける人に憧れる。

 

なぜなら、子供の頃からずっと変わらず、

ピアノが弾けるようになりたかったからや。

 

 

オーケストラの演奏なんかを聴くと、鳥肌が

立つほど素晴らしい。音楽の力はすごい。 

 

 

 

ピアノを習っていた友達には、必ずピアノを

弾いてほしいとおねだりしてきた。

 

目の前でピアノの音色を聴かせてもらうの

は、体がソワソワするほど、格別に感じる。

胸の奥のほうで何か、体がこしょばゆくなる

ような、そんな感じがした。

 

友達になる人は、なるべくピアノが弾ける人

やったらええなとか望んどったぐらいや。

 

 

 

ピアノ弾ける人って素敵やな。

 

男の人も女の人も。

 

かっこよくて、本当に本当に素敵やな。

 

 

 

母ちゃんは、娘にはピアノを弾けるようにな

ってほしかったので、ピアノやってみてよと

頼み込んだ。

 

毎日ピアノの音が聴こえる生活は、何て素敵

やろうって想像しとった。

 

娘がそれを了承してくれたので、いよいよ母

ちゃんの友達が教えてくれることになった。

友達は、面白そうやなと言ってくれた。

 

大きなピアノは買えないので、キーボード

と、それを乗せる専用の台とイスを用意し

てな。

 

でも、最初は楽しみながらやっていた娘も、

友達との付き合いが忙しくなるにつれ、

キーボードを触りもせんようになった。

 

 

練習せんのはもったいないと言ってはみたも

のの、母ちゃんの人生と娘の人生は違う。

そりゃ、友達と遊ぶほうが大事やわ。

 

興味がないのならしょうがないと、諦めた。

これは、母ちゃんのわがままやったからな。

 

 

ピアノを教えてくれていた友達は、母ちゃん

がどれだけピアノを弾くことに憧れていたか

を、その気持ちをよく知ってくれていた。

 

もちろんおねだりして、ピアノを弾いてもら

ったことも何度もある。

 

 

 

ある日、母ちゃんはその友達と話していた。

 

「ピアノ練習せんのって、もったいないな。

できる環境があるのにやらんってのは、もっ

たいないと思わんのやろか。

ピアノ弾ける人って、かっこええのにな~。

 

母ちゃんが子供の頃にこんな環境があった

ら、泣いて喜ぶけどな~。

 

まあ、そういうもんか。 

母ちゃんは、それが叶えられへんだから憧れ

たんやろな。だからそう思うんやろな。

 

もし弾ける環境があったら、全く興味がなか

ったかもしれやんな。

そしたら、しょうがないか。」

 

 

 

 

友達の言葉は、思ってもみやんものやった。

 

「本当は、母ちゃんが弾きたいんちゃう?」

 

 

 

そうや。

本当は、母ちゃんが弾きたいんや。

 

 

そんなんはもう、諦めとった。 

しょうがないと思っとった。

 

 

 

何で諦めてしもとったんやろう。

 

 

 

 

 

母ちゃんはそれから、大好きなジブリの曲が

たくさん入っている楽譜と、クラシックばか

りを集めた、デモ演奏CDつきの、親切にドレ

ミまで書いてくれてある、初心者用の楽譜を

買ってきた。

 

 

耳には自信がある。

 

 

そしてその日から、一生懸命練習した。

 

夢中になると、何時間でも弾いている。

楽しくて嬉しくて、時間の経つのも忘れて

弾き続けた。

 

母ちゃんは手の指が長いので、昔から、

ピアノに向いてるとよく言われとってな。

 

そのこともきっと、憧れをさらに強めること

になったんやろな。

 

 

時々分からないところは教えてもらったりし

ながら、それでもほぼ一人で何曲か弾けるよ

うになっていた。

 

 

母ちゃんのような素人でも、ちゃんと弾ける

ようになった。

 

 

ピアノの基礎からしっかりと練習していて、

頑張って習っていた人に比べたら、それはめ

ちゃくちゃ大したことないレベルやけど。

 

 

それでも、友達は褒めてくれた。

 

よくこんなに早く弾けるようになったなと、

よくこんなに手が動くなと、褒めてくれた。

 

 

母ちゃんは、とっても嬉しかった。

 

 

そして、母ちゃんがあまりにも夢中で弾いて

いるので、時々は娘も、また弾くようになっ

ていた。

 

 

 

 

この年になって、憧れていたピアノを弾くよ

うになれるなんて夢にも思わんかった。

 

 

 

 

さらに、嬉しいことがあった。

 

なんとお隣の奥さんも、同じタイミングで、

ピアノを習い始めていたらしい。

 

 

普段からすごく優しくしてくれる人やから、

仲良くさせてもらっとるから、そんな偶然が

重なったことも、とても嬉しかった。

 

 

母ちゃんより一回り以上、年齢は上になる。

 

上手くなるまでは恥ずかしいからって、ヘッ

ドフォンをつけて弾いとるんて。素敵やろ。

 

 

お隣の奥さんも、きっとピアノに憧れがあっ

たんやろな。

 

お互いに弾けるようになれたら、メッチャ

嬉しいねって話していた。

 

 

 

 

何かを始めるのに、遅いなんてことはないん

やろな。

 

何より、憧れていた期間が長ければ長いほ

ど、もっと夢中になれる。

 

ピアノを弾いているときは、何も考えやん。

ただ楽しくて嬉しい。

 

 

子供の頃じゃなくて、今やからこそ、

それがどれほど自分がやりたかったことなの

かよく分かる。

 

 

 

母ちゃんは今、ルパン三世の曲を練習しと

る。ルパンはええな。ロマンがある。

 

それに、何かあの曲は血が騒ぐ。

 

歌詞の中に、『男の美学』ってあってな。

 

母ちゃんも、美学あるでな。

 

 

 

 

 

 

ピアノを見ると、弾きたくてウズウズする。

なるべく鍵盤に触れていたい。

 

 

母ちゃんの友達には、大人になってから鉄棒

で逆上がりが出来るようになった人もおる。

 

 

一生懸命練習しとった。

それはそれは楽しそうにやっとった。

 

 

 

その人もまた、鉄棒を見ると逆上がりせずに

はいられやんらしい。

 

 

 

 

お互い、自分への挑戦に夢中や。

 

  

 

 

 

 

 

努力すること。挑戦すること。

 

達成感に、浸ること。

 

 

 

 

 

 

大人になったら、忘れてしまうこと。

 

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