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母ちゃんが教える『何とかなるよ』 nantokanaruyo.com

幸せな生き方、教えたるよ。あなたが辛い時、寂しい時、迷った時、一人で乗り越えていけるように。頑張れるように。相手を思いやれる優しい人になってくれるように。間違わんと生きていってくれるように。あなたの心に、きっと届くように。

母ちゃんが教える61『マズイ料理を作る女・料理上手は生き方上手』

 

 

 

母ちゃんです。

 

 

 

母ちゃんの親友に、それはそれはまずい料理

を作る人がおる。

 

 

上手とか下手とかそういうレベルじゃない。

 

好きな食べ物でさえ嫌いにさせる。

トラウマにさすことやって可能や。

 

 

何にしろ、とにかくまずい。

 

 

さらにその人の料理を食べて、何度も胃腸を

壊したという実績もある。

 

 

その人の料理については、世の中にこんなに

まずい料理を作れる人がおるのかと、日々呆

れたり、笑い転げたりしとる。

 

なんやったら、今日はどんなん出てくるんや

ろとか面白がっとるフシもある。

 

 

 

そしてその人は、生き方も下手くそや。

 

自分であんまり物事を深く考えられやん。

人任せなところもある。

 

 

そしてこれこそが、料理のまずさの原因や。

 

 

料理と生き方は、実はとてもよく似ている。

 

 

 

 

今日は、その話しよか。

 

 

 

 

その人の子供達は、いただきますを言う前に

はまず、真剣に皿の料理を見つめる。

 

いきなり口に運ぶとかは危険なのでしない。

見つめる目的は、食べられそうかどうかや。

 

見た目からしてダメなものは親切やけど、

見た目がよくても口に入れるとまずいという

騙しのような料理もあるので、注意深く観察

せんとあかん。

 

用心に用心を重ねる。

 

 

それでも月に一回ぐらいは、なぜか美味しい

料理が偶然出てくることがある。

 

その日を外してしまった家族の落胆ぶりはす

さまじい。

 

次の偶然に当たるかどうかは運次第になる。

いつくるかも分からん。

 

 

ムカつくのは、その人が料理好きなことや。

 

更には、食材の新鮮さと調味料の質には、

とてもこだわっている。 

 

 

最近では、母ちゃんにもその人の家族にも

日々まずさをつっこまれているので、本人も

それを武器に笑いを取りにくる。

 

その人が「何か作ろっか~?」と言うと、

 

「いらん!」

「作るな!」

「迷惑や!」

「まずい!」

 

など、みんなで激しくつっこむ。

みんな本心からなので、顔は怒っている。

 

「え~作ってあげたいのに~。」

「何でも作れるよ~。」

 

その人も、笑顔の責めボケを忘れへん。

みんなはムカついて、更に罵声が飛び交う。

 

 

そういう一通りのコントが、いつものお決ま

りパターンや。

 

 

 

特徴的なことと言えば、まずとにかく臭い。

 

隠し調味料に、独自の臭み液でも入れとるの

かと聞くと、「入れてない。」と言う。

 

 

そんなわけはない。

 

 

その人の腕にかかると、玉子焼きまで臭い。

 

玉子焼きは、材料は卵と調味料だけやのに、

何か魚の生臭みを、どっかでほおりこんどか

んと、成立せん生臭さがある。

 

煮物、魚の塩焼き、炒め物、丼もの、スープ

とにかくなんか臭い。

 

 

後に知ったことと言えば、その人は、お酒と

みりんに何の意味があって、どのような時に

使うと味がよくなるのか、考えたことがない

と言う。レシピに書いてあるから入れてみた

ということも多いらしい。

 

母ちゃんは、あまり料理の基本はなってへん

けど、経験で言えば、お酒は臭みを消す時や

食材をふっくら仕上げたい時、上品な香りを

立たせたい時などに使っている。

 

みりんは、砂糖ほど甘くしたくない時に、

上品な甘味として、または、食をそそる照り

をつけるために加える。

 

 

じゃあ一体どんな時に入れるのかと聞くと、

真っ直ぐに、「雰囲気。」と答えた。

 

 

 

炒め物などを作らせると、きんぴらごぼうは

燃え尽きた炭のように焦げて、水分は、ほぼ

残ってへんくらい加熱する。

 

大学いもの場合は、石かと思うほどに、鋼鉄

のように固い。

 

母ちゃんはすぐに、

 

「子供ら!気を付けな!メッチャ石や!

口の中持ってかれるで!」

 

 と、子供達に注意を促す。

 

その人は、母ちゃんらが顔を斜めにして必死

に石みたいなのをかじっている様子に、笑い

転げている。

 

 

次は、シチューや。

 

今日は母ちゃんの好きなシチューにしたよと

言うので食べて見ると、玉葱もじゃが芋も

人参も、カリポリシャリシャリと音が鳴る。

 

人参は、何にも加熱がされてない状態や。

歯応えがいい。

 

 

新婚か。

 

 

 

このシチューはそれ以降、【新婚シチュー】

と呼んでいる。

 

 

新婚の新妻しか許されやんレベルや。 

 

 

 

次は、れんこん入りハンバーグや。

 

ナツメグと間違えて、シナモンを入れたらし

い。

 

 

ア~ホ~か~。

 

 

まず匂いがオカシイ。パン屋の匂いがする。

皿を覗くと、ハンバーグっぽいものがある。

 

危険なパターンや。

 

案の定、吐き気がするほどまずかった。

 

 

バファリン正露丸か入れたんかという、

薬の存在を完璧に感じられる味やった。

 

これは、何の調味料をかけても、結局誰も、

完食出来やんかった。

 

 

 

続いては、スコーンや。

 

母ちゃんがスコーン食べたいなと言ったら、

ウキウキと準備してやがった。

 

焼き上がりは、いい匂いがする。

見た目も大丈夫そうや。

 

食べたら、あり得やんぐらい苦い。

 

何と表現したらええんやろう。

世の中の苦いを集め尽くしたらこんなんにな

るやろうという味やった。

 

これは、一口でみんなが挫折した。

 

 

 

恐ろしいのが、ワンプレート料理や。

 

汁が出るような料理もそうじゃないのも、

気にせず盛り付ける。

組み合わせは最悪や。

 

 

皆の心に、いつまでも残るワンプレート料理

と言えば、味付けなし半生レバーソテーと、

二種のアホなおかずが乗った、ワンプレート

のおかずやろう。

 

 

半生のレバーからしたたる大量の血が、全て

の料理に、ダラ~と染みわたっとった。

 

二種のアホなおかずは、やっぱりアホな味。 

 

 

地獄絵図や。

 

 

 

とにかくこんなもんは、ほんの一部や。

 

 

 

ちょっと前には、タラコクリームパスタや。

 

母ちゃんも途中でリタイアし、その人も作っ

ておきながら、途中リタイアした。

 

その時の味は、ホットミルクにパスタが浮か

んでいるという感じやった。

塩味も何もない。

 

不思議なことにタラコはほとんどなかった。

 

ちゃんと入れていたのを知っているので、

あのタラコは一体どこに行ったんやろうと、

後々まで疑問として残った。

 

タラコまで無くしてしまうことができる。

 

 

 

それまで家族は、そのまずさを誰も指摘せず

にきとったらしい。

 

だからその人も、まあまあかなとか思っとっ

たらしい。

 

 

 

 

 

「まずいものは、毎日まずいって言い続けや

な変わらん。」

 

「ご飯がまずいのは、言わんみんなにも責任

があるな。文句を言わんのは、そのままで良

いですと一緒なんやで。美味しいもん食べた

かったら言わな。」

 

 

 

それから家族は、毎日言い続けている。

 

 

 

あるとき息子が、またクソまずい料理が出て

きたので、ちゃんと自分でまずいってことが

分かっとるのか確認したらしい。すると、

 

 

「ん~?おいしいんちゃう?」

 

 

と答えたらしく、すかさず息子が、

 

「自分で分からんのやったら、絶対無理やな

いか!」

 

と叫んだらしい。

 

 

 

もっともや。

 

 

 

 

母ちゃんは、いつも言っている。

 

「何でまずかったんか、何で失敗したんか、

ちゃんと振り返って反省せなあかんって。

 

それ考えやないつまでたっても美味しい料理

は作れへんのやで。

 

料理は家族の幸せにつながるんやから、

ちゃんと作ったらなあかん。

 

色んな調味料も、何のために入れるのかよく

考えて使わな。

 

家族の幸せにつながる以上、作っとる自分が

一番厳しい目で舌で、ジャッジせなあかん。

 

すぐにレシピを見るんじゃなくて、人の料理

を作るんとちゃって、自分だけの料理を作る

んよ。

 

同じ料理でもその日その日で違うでな。

 

調味料の加減も、毎回ちょっと違うんよ。

 

食材によっても、火の強さでも、時間でも、

温度でも、変わるでな。

 

それはな、目で見て覚えるんよ。

 

何の調味料が足らんのかも、目と舌で自分の

感覚と経験で覚えるんよ。

 

それは、人から教わるもんじゃなくて、自分

で見つけていくもんなんよ。

 

何も考えずに作っとったらあかん。

ちゃんと考えやなあかんよ。

 

まずいって言われて、ムッとしとったらあか

ん。それは、教えてくれてありがとうや。

 

 

料理上手はな、生き方上手なんやで。」

 

 

 

そんなこと考えたことなかったらしい。

 

そして、母ちゃんが「まずい。」と言うと、

嬉しそうに笑う。

 

 

張り切って色々考えながら、母ちゃんの料理

を見ながら、日々勉強している。

 

ちょっとだけやけど、ちょっとだけマシな

料理が増えてきた。

 

ちゃんと何でまずかったのか考えるようにな

った。しっかりと復習するようになった。

 

 

 

そして、生き方も少し上手になった。

 

 

 

 

 

母ちゃんのそばに来て、手元を見ている。

 

 

「母ちゃん、今の醤油どんだけ入れた?」

 

 

「だいたいやな。」

 

 

「え~、分からんて~。どんくらいよ?」

 

 

「だいたいは、だいたいや。」

 

 

 

 

 

 

それは、自分の目で見て覚えるんや。

 

何度も作って失敗して、その中で掴む。

 

自分の経験と、感覚だけを頼りにして。

 

 

 

 

 

料理と生き方は、同じや。

 

 

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